INTRODUCTION

世界が恋した皇帝ペンギンが、スクリーンに戻ってきた!

世界で2500万人が見た奇跡のドキュメンタリー映画『皇帝ペンギン』(05)が、12年振りに帰ってきました! 日本でも人気のアニメシリーズ『ピングー』のモデルである皇帝ペンギンは、“世界でもっとも過酷な子育てをする鳥”と呼ばれています。ぽってりした体をゆさゆさ揺らして歩く大人の皇帝ペンギン。フワフワの羽毛と飛行帽をかぶったようなかわいいヒナ。本作ではかわいいだけではない彼らの真の姿と南極の絶景を迫力の映像で紹介します。

零下40℃、時速250㎞にもなるブリザードが吹き荒れる南極で子育てする彼らを、13ヶ月もかけて撮影した前作。そこで見えたのは、神秘的で不思議な本能でした。天敵を避けるため、繁殖期には海から100kmも内陸のオアモック(氷丘のオアシス)へ行進し、オスは真冬の2ヶ月間、卵を両足の上に乗せたまま温め続けるなど、不屈の子育てはフランス公開と同時に驚きと絶賛の嵐を巻き起こしました。翌06年にはアメリカのアカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞。同時に、ダンスはうまくても歌うのは苦手な皇帝ペンギンの成長をユーモラスに描く『ハッピー フィート』もアカデミー長編アニメ映画賞を受賞したこともあり、皇帝ペンギンブームが起こったのです。

夫婦の出会いから子ペンギンの旅立ちまでを、一流の野生動物カメラマンが密着撮影!

43歳のオスが命懸けで家族を守り、待望のヒナが初めて海へ旅立つ冒険を描くのは、前作と同じくリュック・ジャケ監督。撮影スタッフは、水中写真家で海洋生物学者のローラン・バレスタ、野生動物写真家のヴァンサン・ムニエ、ダイバーのヤニック・ジャンティなど11名の精鋭“ワイルド・タッチ・アンタルクティカ探検隊”です。2015年11月から12月にかけての45日間、フランスの南極基地=デュモン・デュルヴィルを起点にして、皇帝ペンギンのコロニー“オアモック”で撮影を行いました。前作を撮影した03年当時は、南極で使用できるカメラは16mmフィルム用しかありませんでした。今回は最新鋭のデジタル4Kカメラとドローンを導入。
寒さと水から体を守る滑らかな羽毛や、空の青さそのままが反射する氷山など美しい自然の映像がクリアに映し出されます。また、特筆すべきは、水温マイナス1.8℃、水深70mの水中撮影も可能になったことです。時に無呼吸で20分間も潜水する皇帝ペンギンの姿を収めるために、撮影隊は1本のダイビングに3時間から3時間30分を費やしました。この深度と長時間の水中撮影は、南極海で史上初! 透き通る南極海を飛ぶように狩りをする皇帝ペンギンの雄姿と、氷海下に生息する多様な生物の撮影にも成功しました。
ナレーションは『マトリックス・リローデッド』(03)などで活躍するフランスの名優、歌手のランベール・ウィルソンが担当しています。
黒い燕尾服姿で白い氷原をゆさゆさと歩く皇帝ペンギンのとぼけた姿からは想像できない、限界を超える生存本能と夫婦の絆。皇帝ペンギンだけが極限の地、南極で生き続けられる秘密を教えてくれる傑作ドキュメンタリー!

STORY

南極圏内だけで一生を過ごす唯一の大型動物である皇帝ペンギン。餌を求めて海中を自由自在に泳ぐ彼らは、ある時突然、陸へ上がり、列をなして歩き始めます。ゴールは海から100㎞も内陸にある繁殖地“オアモック”。古来から皇帝ペンギンはここで生まれ育ち、命をつないできました。

なぜ皇帝ペンギンは“世界でもっとも過酷な子育てをする鳥”と呼ばれるのでしょう。彼らの子育ては驚きの連続です。産卵を終えた母ペンギンは大切な卵を父ペンギンに渡し、一路海へ。父親は母親が帰るまでの約120日間、絶食状態で卵を温めて孵化したヒナを守ります。若く経験の浅い父親は抱卵に失敗したり、ヒナが天敵のオオフルマカモメに襲われることもよく起きます。集団の中でも最長老の43歳の父親は、子育ての大ベテラン。無事にヒナを母親に受け渡すことができました。これからの数ヶ月間、両親は海とオアモックを往復して、食欲旺盛なヒナを育てていきます。

夏が近づく頃、両親はヒナに別れを告げて、雪嵐の中に消えていきました。親子の会話で大賑わいだったオアモックは、ヒナたちの声しか聞こえません。ある日、灰色の羽毛が抜けてまだら模様に変身し始めたヒナたちは、何かに導かれるように歩き出しました。頼れるのは自分の本能だけ。厳しい旅の末に辿り着いたのは……。